小淵沢郷土資料館と旧平田家住宅

小淵沢郷土資料館と旧平田家住宅

JR小淵沢駅の南東400mの所に小淵沢町郷土資料館があり、隣接して工芸文化伝習館がある。隣の高台に平成元年に国の重要文化財に指定された旧平田家住宅が移築されている。

小淵沢町郷土資料館

小淵沢町郷土資料館の前庭に、川中島の合戦で騎乗の謙信が振るう刀を信玄が軍配団扇で振り払う、金属板で作られた2人の像があった。

工芸文化伝習館の内部

正面入口を入った所に小淵沢町で捕獲された鹿や雉などの剥製が置かれている。

古代から現代まで小淵沢に住んだ人々の歴史、文化、民俗を後世に伝えていくことを目的に造られており、町内から発掘された土器から農業を中心とする生産用具、衣食住を中心とする生活用品、戦国時代の甲冑、明治時代に学校で使われた教科書までが展示されている。収蔵庫にはまだ沢山の資料が集められており、それらを整理・展示されると益々充実した資料館になるだろう。


工芸文化伝習館には沢山の機織機があり、地域の婦人が集まり機織りをしていた。ここでは藁細工工芸や機織りの講座を行っていて昔の技術を伝えている。

唐箕、足踏脱穀機などの農機具

 

農機具と生活用具

養蚕のための用具

郷土資料館に展示されている農機具(水田中耕除草機、唐鋤、馬鋤、足踏脱穀機、唐箕など)や生活用品(湯たんぽ、炭炬燵、釜、竈など)を見ると、私達が子供の頃は日常使っていたものであり、そんなに昔の物ではないと思うが、現在のほとんどの人はこれらの機具、用品が実際に使われているのを見たこともなくやはり歴史的な物になっているのだろう。

旧平田家住宅の表面

平田家住宅裏面

小淵沢町教育委員会発行の説明書によると平田家住宅は、武田信玄の家臣山田但馬守の子孫と伝え、江戸時代には、松向村の名主を勤めた旧家である。
 寛文6年(1666)検地帳によると村では他からはぬきんでた土地持ち百姓で、延宝8年(1680)に没した先祖は、同じ村の東照寺の開基にかかわるなど、経済的にも裕福であった。
 当家は、建築当初の柱や梁など主要部材がよく残っており、また大きく、古式な要素を多く持って古民家として、資料的価値が高いことが認められて平成元年9月に重要文化財に指定された。
 平成元年平田長門氏より平田家住宅が小淵沢町に寄贈され、国の指導のもとに解体工事を行った。平成3年から平成4年には復元工事を行い、平成4年から平成5年に防災工事を行った。

土間(土間にも囲炉裏がある)

イドコ(囲炉裏を中心に日常の行事や接客、炊事、食事、夜なべ仕事などに使った。今で言えば居間である)

ウマヤ(馬は大事な家の働き手で家族の一員であった。地域によって馬ではなく牛を飼っていた)

座敷(土間に面している方が下座敷、その奥が上座敷)

藁葺きの農家の建物は一般的には、1階は土間と座敷があり、半々の広さである。座敷の方には土間に面して囲炉裏のあるイドコと下座敷、下座敷の奥に上座敷、イドコの裏に納戸と裏部屋があり、土間には台所、竈、農機具置き場、収穫した農産物の置き場、馬屋か牛屋。2階は農産物置き場と地域によっては養蚕を行っていた。風呂と便所は外にある。

旧平田家住宅は土間が広く全体の3分の2はあり、土間にも囲炉裏がある。2階はなし。土間が広いのは、名主であったので他の農家の人や地域の人が来たとき土間で対応したのだろう。


 所在地 山梨県北杜市小淵沢町7707
 Tel. 0551-36-2142

 開館期間  1月4日 ~ 12月28日
 休 館 日   月曜日、祝日の翌日
       12月29日 ~ 1月3日
 観 覧 料   資料館と平田家住宅共通  200円


                                    (2006 ・10 ・2)